地蔵研究

2月4日に思い立って、お地蔵様を地図にプロットし始めた。

 

これまで普通に生活する中で目にするお地蔵様は3ヶ所くらいだったし、特に名古屋という街がお地蔵様が多いという印象はなかった。まあ、実際に別に多いということはないのだろう。しかしgoogleマップで「地蔵」と検索してみると、都市部を中心に意外にも多くのお地蔵様が存在していることが分かった。

 

かつて京都を訪れたときに、街のいたるところにお地蔵様があるのを見て、これをまとめた地図はないだろうかと調べてみたことがあった。「京都のお地蔵さんmap ~西陣を中心に~」という地図を見つけたのだが、これが本当すごい地図で、googleマップ上に表示させてみると、もはやお地蔵様で埋め尽くされてしまって地図がぜんぜん見えなくなってしまう。数がめちゃくちゃ多いのだ。そんなことを思い出して、ならばお地蔵様マップの名古屋版を作ってみようじゃないかと思い立ったわけである。

スマホで「京都のお地蔵さまmap」を表示させてみると…
スマホで「京都のお地蔵さまmap」を表示させてみると…

 

 

はじめ、既に知っていた数少ないお地蔵様をプロットし、続いて「地蔵」と調べてヒットした場所(誰かが地図上に地点登録しているお地蔵様)を追加していった。googleマイマップという機能を使っているのだが、このプロットするという作業が非常に楽しい。暗渠マップ(「名古屋の暗渠・用水・小河川」)を描いているときも同じで、もはや暗渠そのものよりも暗渠を地図にプロットすることのほうが楽しいんじゃないかと思ったほどである。だから、名古屋市内で完結するつもりだったお地蔵様マップは、もっとプロットしたいという衝動に駆られて、次々に市外のお地蔵様を追加していってしまい、ついには尾張全域にまでその範囲が広がってしまった。故にこの地図は「尾張の」お地蔵様マップということになった。正式名称は「尾張の地蔵・宝塔」だ。

 

地図の説明欄には以下のように書いておいた。

「名古屋市を中心とした尾張北部の地蔵・宝塔マップです。今更新をしている最中ですので、抜けている地蔵・宝塔がありましたら、適宜お教え下さい。 地蔵は、道端のいわゆる「お地蔵様」を扱っており、立派な御堂を持つものから、路傍で雨ざらしのものまで、様々です。ただし、寺の建物内にて本尊などとして祀られている地蔵は除きます。 宝塔とは日蓮宗の石塔のことで、「南無妙法蓮華経」の題目が刻されています。愛知郡日比津村(現・中村区日比津町)の集落内には、字ごとに宝塔が置かれています。これは非常に稀な例であるようですが、他の場所にも点在しており、どこまで信仰の広がりがあるのかは不明ですが、一先ずプロットしています。こちらも、寺の境内にあるものは除きます。 今後、濃尾平野特有の信仰である「屋根神」についてもプロットすることを検討しています。」

 

ひとつ言い忘れていた。日蓮宗の石塔、いわゆる「宝塔様」についても同じ地図上に追加していっている。宝塔の存在は「古地図で楽しむなごや今昔」という本の中で日比津村に特有のものとして書かれていたのを読んで初めて知った。この本を買ってもらったのはたぶん小学校4年生くらいの時だから、もうかなり前のことだ。日比津でオリエンテーリングをした際には全てのチェックポイントが宝塔であるという「宝塔-O」をやったりした。後に庄内用水の稲葉地井筋を辿ったとき、中川区中須に宝塔があるのを偶然発見して、どうやら日比津以外の場所にもあるらしいということが分かった。どのくらいあるのかは検討もつかないが、それを知るためにも上記の条件に基づいてプロットをしているという状況だ。

 

Googleマップで地点登録されていないお地蔵様(実際のところほとんどのお地蔵様がそうである)については、一部書籍で紹介されているものがあるものの、基本的には航空写真でひとつずつ見つけ出していく他ない。非常に手間のかかる作業であるし、たぶんに、見落としている場所がたくさんあると思う。例えば家の軒下であるとか、大きな木の下に隠れているような場合は、当然航空写真で見つけることは不可能である。だから、ある程度のところまで地図が出来上がってきたら、公開して、抜けているお地蔵様はありませんか、なにか知っていることはありませんか、と聞いてみるしかないだろう。その時まで、しばしお待ちください。

コメントをお書きください

コメント: 1
  • #1

    やおもておいみ (土曜日, 22 1月 2022 00:17)

    思い立ってお地蔵様をプロットし始めるやうらさんの行動力に圧倒されます。やうらさんの行動力はどこから来るのでしょうか。